本記事では、私が実際にスペインのバスケの現場で見てきた「生の」練習メニューをそのまま掲載しております。
是非皆様のバスケチームでもこの練習をそのまま取り入れて頂いたり、アレンジしたりして、スキルアップに役立て頂きたいです。
大事なことは練習メニューを知ることではなく、練習メニューをどのように用いて選手を育成していくかに尽きます。一貫した目的意識を持ってバスケットボールに取り組んで頂ければこの上ない喜びです。
パス運びゲーム 速攻 オールコート
練習のジャンル
スキルトレーニング(パス)(トランジション)(オールコート)
実施していた年代
ミニバスカテゴリ
練習の目的
- トランジションのボール運びで速く長いパスを正確に繋げることができるようになるため
- 全員で1つのボールをゴールにまで届けるという意識を定着させるため
- バックコートプレイヤーとフロントコートプレイヤーの役割をゲーム感覚で覚えさせるため
必要な道具
- 1チームにつきボール4〜5つ
練習内容の説明
ゲーム内容
- 5人1チームとして、2チームで行います。
- オールコートを縦に2分割し、それぞれのチームが片面を使って行います。
- それぞれのゴール下にボールを4〜5つ置いておきます。
- チーム内でバックコート陣2人とフロントコート陣3人に分かれます。
- パスだけを使って、自分のゴール下に置いてあるボールを全て、相手のゴール下に移すことが出来たら勝ちです。レベルが高くなると全てを移動するのには相当な時間を要するので、制限時間を設けて、より少なくすることが出来たチームが勝ちとすると良いと思います。
基本ルール
- バックコートの2人(上図では①と②)が自陣のゴール下からボールを取ってスタートします。フロントコート陣に素早く渡すことが役割です。
- パスを受けた位置から移動することは出来ません。また、ボールを床に落としてもいけません。その場合は自陣のゴール下からやり直します。
- フロントコートの3人(上図では③と④と⑤)は相手ゴールの下にボールを置くことが役割です。ただし、バックコートの①と②がハーフラインに来ていなかった場合にはボールを置くことが出来ません。その場合はハーフラインまで来るのを待たなければなりません。
- バックコート陣の①と②は、フロントコート陣がボールを置いたことを確認したら急いで自陣のゴール下にあるボールを取りに行きます。ただし、フロントコートの③〜⑤がハーフラインに戻ってくるまで、次に運ぶボールを床から取ることは出来ません。その場合は前述の通り、ハーフラインまで来るのを待たなければなりません。
応用ルール(プレーに慣れてきたら)
- それぞれのプレイヤーは相手が運んでくるボールをスティールします。ボールを床に落とせば相手チームはやり直しです。ただ、邪魔をしている場合でも味方はボールを運んでくるため、その状況も把握しておく必要があります。
ココがPOINT!
- 全員で1つのボールをゴールにまで届けるという意識を定着させることが出来ます。誰か一人でもサボって走らないと勝つことが出来ないルール設定になっているので、全員で攻めて、全員で守るというプレースタイルが自然と身につきます。特にトランジションでのボール運びで有効です。
- 応用ルールでプレーすると、常にコート上の2つの状況を把握しなければならないため、視野が広くなります。どのタイミングであればディフェンスに回れるのか、素早くハーフラインに戻らなければならないのか、そういったことを常に考えながらプレーできるようになります。