本記事では、私が実際にスペインのバスケの現場で見てきた「生の」練習メニューをそのまま掲載しております。
是非皆様のバスケチームでもこの練習をそのまま取り入れて頂いたり、アレンジしたりして、スキルアップに役立て頂きたいです。
大事なことは練習メニューを知ることではなく、練習メニューをどのように用いて選手を育成していくかに尽きます。一貫した目的意識を持ってバスケットボールに取り組んで頂ければこの上ない喜びです。
ゴールカットへのピンポイントパス(クイックモーション)
練習のジャンル
スキルトレーニング(パス)
実施していた年代
ミニバスカテゴリ
練習の目的
- ゴールカットをする味方に、タイミングよくパスを出すスキルを身につけるため
- パスまでの予備動作を素早くするため
- 動いている対象(プレイヤー)にパスを通すために不可欠な、スペースに出す感覚を養成するため
必要な道具
- ボール1つ
- コーン(もしくは椅子)2つ
練習内容の説明
参考図
- 2人1組になって行います。
- 1人は2ガードポジションにボールを持って立ち、もう一人は同サイドのコーナーに立ちます。
- 3Pラインに沿うように椅子を2脚置きます。間隔の目安はボールを持ったパサーから左右1mずつ程度です。
- コーナーの選手が主導権を握り、好きなタイミングで走り出します。(スピードは適宜調節しましょう)
- ボールを持っているプレイヤーはウィークサイド側の手(上図では右手)で強く早いドリブルを1つして、コーンの外側から素早くサイドハンドプッシュパス、もしくはフックパスでパスを出します。
- パスを受けたプレイヤーはドリブル無しで、そのままレイアップシュート、あるいはバックシュートを打ちましょう。
- パサーは味方のスピードを落とさず、シュートに行きやすいパスを心がけましょう。
- 2〜3回ずつパスを練習したら、逆手(ミドルサイド側の手)に変えて同様に練習します。
ココがPOINT!
- オフェンスはコーナーから走りこんでくる味方をよく見なければ、良いパスを出すことが出来ません。フェイスアップをした状態が前提となります。
- また、慣れてきたら走り込む味方ではなく、ゴールだけを見て「半ノールック」で出せるようにしていきましょう。より実戦的になります。
- パスが飛んでいる間にも味方は動いているので、半歩〜1歩先のスペースに出せるようにしましょう。ゴールカットをするプレイヤーにはターゲットハンドを出すようにすることも効果的です。
- パスを早くするには、①パス速度自体を向上させる、②パスまでのモーションを素早くするの2つが考えられます。しかし、①の「パススピード自体の向上」は筋力に左右される要素が大きいので、この練習ではタイミングを合わせてあげるために、②の「パスまでの予備動作を少なくする、素早くすること」にポイントを当てましょう。
- 具体的には、「ドリブルを辞めてから、パスを出すために身体に引きつけてから、パス」という2段階の準備ではなく、「ドリブルを身体に引きつけながら辞めて、パス」という1段階の準備、つまりクイックモーションからパスが出せるスキルの習得を意識させます。
- 引きつけながら、という表現では、「肩甲骨を引くようにする、あるいはポケットに入れる」ようなイメージを持つと分かりやすいと考えています。