本記事では、私が実際にスペインのバスケの現場で見てきた「生の」練習メニューをそのまま掲載しております。
是非皆様のバスケチームでもこの練習をそのまま取り入れて頂いたり、アレンジしたりして、スキルアップに役立て頂きたいです。
大事なことは練習メニューを知ることではなく、練習メニューをどのように用いて選手を育成していくかに尽きます。一貫した目的意識を持ってバスケットボールに取り組んで頂ければこの上ない喜びです。
ドライブに対するコンタクトディフェンス 〜直線的に抜かれないディフェンス〜
練習のジャンル
スキルトレーニング(ドライブ)(マンツーマンディフェンス)
実施していた年代
U-16カテゴリ
練習の目的
- TOPからの直線的なドライブを防ぎ、簡単なレイアップシュートを打たせないため(ディフェンス)
- 身体のコンタクトを嫌がらず、コースを限定させるディフェンスを身につけるため(ディフェンス)
- 抜かれてはいけないコースを把握するため(ディフェンス)
- コンタクトのある状況でも確りとドライブのコースを確保し、レイアップシュートに持ち込むため(オフェンス)
必要な道具
- ボール1つ
- コーン5つ
練習内容の説明
Part1 コンタクトディフェンスの基礎確認
- まずフリースローサークルの頂点と両エルボー、フリースローレーン上の大きめの四角のポイントの計5カ所にコーンを置きます。(上図参照)
- TOP(3Pライン後方1m程度を想定)にオフェンスとディフェンスが向き合った状態からスタートします。
- オフェンスがボールを持ち、1on1を始めます。
- ディフェンスはコーンで区切られたエリア(赤の斜線エリア)にオフェンスを侵入させないように、オフェンスに接触しながら押し出すようにディフェンスをします。
- 制限時間(3〜5秒)を設けて、勝ち負けを決めると良いでしょう。ディフェンスはペイント内に侵入させなければ勝ちです。
- ディフェンスの技術が甘く、簡単に抜かれてしまうようであれば、エリアを少し狭めて練習しましょう。
- TOPからだけでなく、両ウィングからも同様に行うこともできます。
ココがPOINT!
- ディフェンスはディレクション(方向付け)が大切になります。TOPのディフェンスでは、オフェンスがどちらの方向に抜いてくるかわからないため、後手に回りやすいという特徴があります。それを防ぐために、ディフェンスは能動的にオフェンスを誘導させるような工夫が求められます。駆け引きを練習しましょう。
- 一早くコースに入り、身体を相手の正面に、正対或いは肩から胸部にかけて半身の状態でコンタクトすることが目的です。コンタクトしなければ間違いなく切り返されてエリア内に侵入を許してしまいます。
- このディフェンスはピック&ロールを想定するとわかりやすいと思います。1アームからスタートし、スクリーンを躱すためにオフェンスとの距離を詰めるシチュエーションです。その後、ストレートドライブを防ぐためにコンタクトを仕掛け、オフェンスを膨らませるようにする技術が必要だからです。
Part2 シュート有り
- 下2つのコーンを取り除きます。オフェンスはドライブからシュートまで持っていきます。
- もちろん、エリアに侵入されてはいけません。抜かれてしまいそうな場合は、確りとグライドラン(オフェンスに身体をコンタクトさせた状態で並走すること)を行い、フリーでレイアップに行かせないように守ります。
ココがPOINT!
- 抜かれてしまったとしても、トップスピードに乗せないようにコンタクトし、グライドランをする習慣を身につけましょう。それだけでオフェンスのシュート精度は下がりますし、ヘルプディフェンスに目を配る余裕を奪うことができます。
- 上半身だけ、腕だけでコンタクトをするとファールを吹かれやすいです。腰の部分から胸の部分の面でコンタクトするように心がけましょう。無理やり押すのではありません。