本記事では、私が実際にスペインのバスケの現場で見てきた「生の」練習メニューをそのまま掲載しております。
是非皆様のバスケチームでもこの練習をそのまま取り入れて頂いたり、アレンジしたりして、スキルアップに役立て頂きたいです。
大事なことは練習メニューを知ることではなく、練習メニューをどのように用いて選手を育成していくかに尽きます。一貫した目的意識を持ってバスケットボールに取り組んで頂ければこの上ない喜びです。
リアクションシューティング 〜聴覚・視覚〜
練習のジャンル
スキルトレーニング(シュート)(コーディネーション)
実施していた年代
U-10(ミニバス)カテゴリ
練習の目的
- 様々な外部要因がある中で、その場の状況に正確に対応することができるようになるため
- 状況に対応した上で、シュートを決めきることができるようになるため
- 自分本位で動くのではなく、コートの状況によってプレーを選択する必要があることを学ぶため
必要な道具
- 2人1組につき、ボール1つ
練習内容の説明
声に反応してシュートをする(聴覚)
- 2人1組でボールを1つ持って行います。
- ①のプレイヤーはゴールに背中を向けた状態で立ちます。
- ②のプレイヤーはゴール下でボールを持ちます。
- ②のプレイヤーが「右!」もしくは「左!」と大きな声で叫びます。
- ①のプレイヤーはその声に反応し、声の指示にしたがってフロントターンをします。例えば、「右!」と聞こえたのであれば、①は背中を向けた状態から見て右側にターンをします。(上図参照)
- 反転した①にパスを出し、ミドルシュートを打ちます。①はシュートを打ったら自分でリバウンドを取りに行きます。
ココがPOINT!
- 声がした方向には素早くターンしましょう。簡単だと感じた場合には、その場でジャンプして反転したり、引き足ターンをするなどステップを変えてみるのも面白いでしょう。あるいは、声とは違う方向にターンをするなど、思考が必要になるルールにしてみるのも良いトレーニングになります。
- バウンドパスを出した後に声を出すなど、判断までの時間を短縮する方法もあります。
ディフェンスとヘルプの状態を見てシュートを打つ(視覚)
- 3人1組でボールを1つ持って行います。(コーチとなっていますが、プレイヤーでも可です)
- オフェンスとディフェンスは向かい合った状態で立ち、ディフェンスがボールを持ちます。あとの一人はペイントエリア内で待ちます。
- ディフェンスはオフェンスにボールを軽くトスし、その場でどちらか一方の手を挙げます。
- ボールを受けたオフェンスはディフェンスが手を挙げた側に1つドリブルをして、ヘルプが完全に出てくる前にミドルシュートを打ちます。
- ペイントエリアで待っているプレイヤーは両手を挙げてシュートチェックに行きます。ブロックに飛ぶ必要はありません。
- シュートを打ったらヘルプ、ヘルプをしたらディフェンス、ディフェンスをしたらオフェンスというように回ると効率が良いです。
ココがPOINT!
- オフェンスだけでなく、ヘルプとして待っているプレイヤーもディフェンスがどちらの手を挙げるのか、集中してみておく必要があります。ヘルプのプレイヤーの対応が早ければ、オフェンスがシュートを打つことがますます苦しくなります。
- ディフェンスが手を挙げた側をドライブする理由としては、ディフェンスの基本スタンスに秘密があります。ディフェンスのスタンス上、手を挙げた側の脚が前に出ることがほとんどです。そのため、その脚をやっつけるようにドライブをすることができれば、必然的にディフェンスは1歩脚を引いて対応することになります。そうすれば、抜け切らなかったとしてもステップバックや急ストップを使うことで、ディフェンスとの間合いをコントロールすることが可能になります。そこまで意識して練習できると良いでしょう。
- さらに、「ヘルプが間合いを詰めてくるシチュエーションに対してはジャンプシュートではなく、ユーロステップを使ってレイアップに持ち込む」などともう一つの約束を決めて練習しても面白いでしょう。判断が1回から2回になることで、より実戦に近づけることができます。