本記事では、私が実際にスペインのクラブで見てきた「生の」練習メニューをそのまま掲載しております。
是非皆様のチームでもこの練習をそのまま取り入れて頂いたり、アレンジしたりして、スキルアップに役立て頂きたいです。
大事なことは練習メニューを知ることではなく、練習メニューをどのように用いて選手を育成していくかに尽きます。一貫した目的意識を持って取り組んで頂ければこの上ない喜びです。
ヘッジディフェンスの2対2
練習のジャンル
スキルトレーニング(ディフェンス)
実施していた年代
U-16(Cadet)カテゴリ
練習の目的
- オフェンス
- ボールを持った状態からの1ON1で直線的にリングに対してドライブを出来るようにするため
- 目の前のディフェンスだけでなく、2線のヘッジディフェンスの状況を確認する視野を確保したドライブスキルを身につけるため
- ヘッジディフェンスを意識したドリブルの位置を確認するため
- ディフェンス
- ボールマンのゴールに対する直線的で速いドライブを止める(遅くする・膨らませる)ため
- ヘッジディフェンスのポジショニングを確認するため
- ドライブに対して、ヘッジディフェンスが動き出す1歩目のタイミングを体得するため
必要な道具
- ボール1つ
- コーン2つ
練習内容の説明
- 2人1組を2チーム以上作ります。
- コーンをペイントエリア内に2つ置きます。1つはフリースローラインから50センチ程度内側に、もう1つはノーチャージエリア内に置きます。(上図参照、レベルに応じて距離は調整してください)
- オフェンスはTOPとウィングに立ち、TOPの人がボールを持ってスタートします。
- オフェンスの制限時間は14秒です。
- オフェンスは制限時間内に、2つのコーンのうち、どちらか1つにでも触れれば勝ちです。3Pラインの外であれば、オフェンスはパスをすることができます。1度ドリブルしてからでもOKです。ただし、オフェンスはボールを貰うためにその場から過度に動いてはいけません。
- コーンを触られたディフェンスのチームは止めるまでディフェンスの番を続けます。オフェンスは交代します。(負け残り)
ココがPOINT!
オフェンスは鋭いドライブを視野を確保した状態で出来るようにトレーニングします。上体が常に起きた状態で、ゴールを見た状態で、ボールマンディフェンスとヘッジディフェンスの状態を捉えるように指導します。
ヘッジディフェンスはボールマンに寄り過ぎるとピンチを招きます。この練習ではオフェンスのボールミートを禁止しているため、見落としがちですが、寄りのタイミングが早すぎたり、距離が長過ぎると、ヘッジディフェンスのマッチアップマンがノーマークになってしまいます。
ヘッジは2線のディフェンスであるため、ヘルプ&ローテーションは非常に困難です。しっかりとタイミングとポジショニング(距離感)を指導しましょう。
タイミングとしてはドライブを仕掛け始める瞬間です。予備動作が大きくなることが多いので、ヘッジディフェンスはしっかりとボールマンの動き出しを間接視野で捉えておけば気づくことができます。強く長いドリブルを突き出す前が勝負です。
ポジショニングとしては半歩から1歩程度を目安にボールマンに近づくイメージです。運動能力によって勿論個人差がありますが、それ以上離れると危険です。そして、常にハーキーステップやドライブコースに対するボールチェック(手を動かす)をしましょう。牽制効果があります。
ゴールへの直線的なドライブはヘルプの対応が遅れやすく、レイアップやゴール下付近の合わせのシュート、フリースローなど、得点効率の良い攻撃をさせてしまうことに繋がる可能性が非常に高くなります。
ピックプレーなど、ボールハンドラーにズレを生み出す戦術がある以上、ボールマンのディフェンスは1人でそのドライブを抑えきることは容易ではありません。そのため、ボールマン以外のディフェンスは常にボールハンドラーのドライブを警戒しておく必要があります。しっかり意識させることがとても大切です。