本記事では、私が実際にスペインのバスケの現場で見てきた「生の」練習メニューをそのまま掲載しております。
是非皆様のバスケチームでもこの練習をそのまま取り入れて頂いたり、アレンジしたりして、スキルアップに役立て頂きたいです。
大事なことは練習メニューを知ることではなく、練習メニューをどのように用いて選手を育成していくかに尽きます。一貫した目的意識を持ってバスケットボールに取り組んで頂ければこの上ない喜びです。
パス&ラン4対4 スペースを空けて、走り込む!
練習のジャンル
総合練習(ハーフコート)(状況把握・判断)
実施していた年代
ミニバスカテゴリ
練習の目的
- パスをした後の動き方(パス&ラン)について、その動き方を習得するため
- 空いているスペースに走り込むという意図を理解し、意図的にスペースを空ける動き方を習得するため
- ディフェンスの基礎として、ディナイとバンプの技術を習得・確認するため
- 自分本位で動くのではなく、相手の状況をよく見て動くようにするため
必要な道具
- ボール1つ
練習内容の説明
参考図
- 4人1チームとして、数チーム作ります。
- 両サイドのファールライン上(フリースローラインを延長した仮想線)にコーチが1人ずつ立ちます。
- 約束事として、オフェンスは必ず1度、どちらかのコーチにパスを出すようにします。そして、ディフェンスを振り切った状態でコート内でボールを貰い、よりシンプルに得点を奪うことを目指します。
- そのため、パスをした後の動き方に注目します。基本的にはボールサイドカットを使って攻撃を組み立てることを学びます。
- その場合、ゴール近くにいるオフェンスはその場でジッと待っているのではなく、自分のマークマンがヘルプに行けないように惹きつけるような動きをするか、ヘルプに行った後に確実にフリーな状況でボールを受けられるように準備しておくことが重要です。
- ディフェンスはオフェンスになるべくゴールから遠い場所でボールを持たせるためにディナイの形を取ります。ボールを持たれた後に1アームの距離に詰めることもスムーズに行うことができるようになります。
- ディナイを強める弊害として、バックドアカットをされてゴール近くでボールを持たれてしまうケースがよく見られるかもしれません。まずは、ゴール方向に直線的にカットされることを優先的に守る意識を持たせたいところです。そのため、しっかりとコース(オフェンスとゴールを結んだ直線上)にポジションを取り、バンプを行いましょう。
- 攻守交代のタイミングは、「得点を取った場合」、あるいは「ボールを奪われた場合」です。その場合、ディフェンスはすぐにコーチにボールをパスします。そのボールを受け直してリスタートします。
- 先に3点先取したチームの勝ちです。負けチームは交代します。
ココがPOINT!
- ただ単純にパスした後に走っても、思うようにボールを受けることは難しいです。そのため、逆サイド側にわざとフェイクを入れたり、パスを走りながら出すことでタイミングをずらしたり、相手ディフェンスの顔の向きやスタンスをよく見てプレーすることを教えていきます。
- 相手を見て、状況を把握する→やっつけられるのであれば、カットを選択する→やっつけられないのであれば、ディフェンスをどうにかしてやっつけられる状態に持ち込む→それでもダメなら、その場は諦める、という駆け引きの順序になります。
- ドリブルはしても構いませんが、あくまでも、得点に繋がるようなドリブルに限定させましょう。もらってすぐにドリブルをついて1対1となってしまっては練習の意図とはズレてきてしまいます。
- 全員がボールを受けたいと思って動いてしまうと、チームとしては機能しなくなってしまいます。誰がどのスペースにカットすれば、得点に繋がりやすいのか理解する必要があります。
- また、得点を取ることが出来たプレーヤーだけでなく、わざとスペースを空けてあげる動き方が出来たプレーヤーも賞賛してあげる必要があります。小学生の時点でそのような動き方ができることは非常にバスケットIQが高いと言えますので、注目してあげましょう。