本記事では、私が実際にスペインのバスケの現場で見てきた「生の」練習メニューをそのまま掲載しております。
是非皆様のバスケチームでもこの練習をそのまま取り入れて頂いたり、アレンジしたりして、スキルアップに役立て頂きたいです。
大事なことは練習メニューを知ることではなく、練習メニューをどのように用いて選手を育成していくかに尽きます。一貫した目的意識を持ってバスケットボールに取り組んで頂ければこの上ない喜びです。
鳥かご(ロンド)
練習のジャンル
スキルトレーニング(パス)(ポジショニング)
実施していた年代
U-10(ミニバス)カテゴリ
練習の目的
- 周囲の状況を把握し、素早くパス交換をできるようにするため
- どのポジションに動けばパスが受けられるのか考えさせるため
- 今パスを受ける動きではなく、その次のパスを受けるための動きを考えさせるため
必要な道具
- ボール1つ
練習内容の説明
- 1チームあたり5〜6人を目安に分け、2チームで行います。
- フリースローサークルの中心にビブスを着せたプレイヤー(もしくはコーチ)を立たせます。それ以外のプレイヤーは中心を円で囲むように立ちます。オフェンスが外側、ディフェンスが内側になります。
- オフェンスは10回連続でパスを通すことができたら勝ちです。中心に立っているプレイヤー(もしくはコーチ)から返ってきたパスを「1回目」としてカウントします。
- ただし、2回に1回は必ずセンターに立っているプレイヤーにパスを入れなければなりません。外側のプレイヤー同士でパスをすることはもちろんできますが、それは回数としてカウントしません。
- また、オーバーヘッドパスやロブパス(浮かせるようなパス)は禁止です。
- ディフェンスは10回パスを通される間にボールを奪うことができたら、すぐに攻守交代します。その時、中心のプレイヤーはそのままです。
- 負けたチームは何らかの罰ゲーム(ダッシュや腕立てなど)をします。
- 2回目にはバックビハインドパスを教えます。ディフェンスの位置を見て、積極的に使うようにさせます。また、バックビハインドパスが通った時にはパス2回分としてカウントできます。
ココがPOINT!
- センターサークルに立っている選手は常に周囲のプレイヤーの状況を把握し、パスを受けたらどこに出すのか考える必要があります。また、一番状況がよくわかる位置なので、しっかりと声を出して指示できると更に良いでしょう。プレイヤーがまだそのレベルにないと判断した場合には、コーチがその役割を担います。
- 外側にいるプレイヤーはマークを振り切ってボールを受ける動きをまずは身につけます。その後、自分のディフェンスが、ボールを見ていて自分を見失っているかどうかを確認して、ブラインド(死角)に入る動きも身につけます。
- 2つ後のパスを受けるための動きも考えさせます。パスが「パパン!」というリズムで回せるようになると良いでしょう。
- ビハインドバックパスを教える際には、どういう状況で使うのかをしっかり指導することが大切です。ディフェンスをピボットステップやパスフェイクで左右に振る動作が大切です。コツとしては、腕だけを後ろに回し、ノールックでパスを出すことです。
- 大切なことは、次のパスをイメージできるようにすることです。どこに動けば「チームとして」パスがよく回るのか、ということを考えさせます。この年代のプレイヤーはボールに集まってしまう傾向にありますが、近づいてしまうとパスを出すことも受けることもできません。ポジショニングトレーニングの導入としては最適でしょう!